ワインによく合うおつまみに「生ハム」がありますが、「プロシュート」「ハモンセラーノ」「イベリコ」などなにが違うの?
あと「前足」と「後ろ足」で味が違うって聞いたけど本当?どうやって選ぶの?など疑問がいっぱいの生ハムです。
今回は生ハムの基本的な知識を分かりやすく説明していきます。ワインと同じように産地や種類によって味に特徴があるので、使い方(食べ方)が分かるようになります。
この記事を最後まで読んでいただければ、スーパーやレストランなどでどれを選べばいいか迷わなくて済みますよー!
世界三大生ハムとは?
あなたは『世界三大生ハム』をご存じですか?知らなくても特に問題ないし、困ることもないので気にする必要はないのですが(笑)知っておいた方が「話のネタになる」ぐらいの軽い気持ちで見てください。
・プロシュート・ディ・パルマ(イタリア)
・ハモン・セラーノ(スペイン)
・金華ハム(中国)
あれ?イベリコハムは入ってないの?と思った方もいるかもしれません。後で詳しく説明しますが、イベリコはスペインの高級生ハムです。世界三大生ハムなので、ここは同郷で一般的に多く流通しているハモン・セラーノに譲った形になります。
プロシュート・ディ・パルマ
イタリアのパルマ地区で作られる生ハムです。イタリアでは「プロシュット」と呼ばれていて「豚モモ肉のハム」を指します。
スライスしてそのまま食べてももちろん美味しいですが、パスタやピザに乗せてもいいですね!また、イタリア料理では色々な種類のハムを盛り合わせた「プロシュット・ミスと」が前菜として出されることが多いです。
ハモン・セラーノ
スペインのアンダルシア地方で「白豚」から作られるのが有名で、モンタンチェス村のものが最上とされています。「ハモン=ハム」「セラーノ=山」の意味でまさに「山のハム」といわれるほど山岳地帯で作られます。
イタリアのプロシュートより歯ごたえがあり塩味もしっかり付いて肉の味が凝縮されています。そのままスライスしてワインやチーズと一緒に食べるのがおすすめです。また、凝縮されたお肉の部分も美味しいのですが、脂の部分も美味しいので食べる際は早めに冷蔵庫から出して常温で食べるとより美味しく感じます。
金華ハム
中国浙江省(せっこうしょう)の金華(きんか)地区で作られます。1915年開催のサンフランシスコ万博で食品部門『第一位』に輝き、世界的に有名になりました。
肉質は硬くて塩気も強いためそのまま食べることはせずに、炒め物や蒸し物などあらゆる料理に使います。中国の高級スープ、高湯(カオタン)や上湯(シャンタン)には欠かせない食材です。
イベリコハムとは?
ここまで世界三大生ハムとしてイタリアの「プロシュート」、スペインの「ハモン・セラーノ」、中国の「金華ハム」を紹介してきましたが、もう一つ有名なのが、スペインの『イベリコハム』があります。
同じスペインのハモン・セラーノは白豚ですが、イベリコは【黒豚】です。この黒豚の品種が重要とされており「イベリア種100%純血、もしくはデュロック種と交配させた豚(イベリア種50%以上)」で、さらにスペイン政府が認めたものだけをイベリコ豚と呼べます。
イベリコ豚=ドングリではありません。
「ドングリを食べて育った黒豚」と紹介されることも多いですが、イベリコとは血統のことなので関係はありません。と言いたいところですが、イベリコ豚がドングリを食べていることは間違いありません。ただし全体の約10%しかないので非常に希少な生ハムと言えます。
ドングリはスペイン語で「ベジョータ」と呼び、そのままイベリコハムのランクの名前になっています。
ベジョータ = えさ(ドングリ)+放牧あり
セボ・デ・カンポ = えさ(穀物、ハーブ)+放牧あり
セボ = えさ(人工飼料)+放牧なし
セボが全体の80%を占めているので、いかにベジョータが希少か分かりますね!
食べ方はやはりスライスしたものを常温で楽しみたいです。脂の旨味と凝縮された上品なお肉の旨味や甘みを存分に楽しめます。
前足と後ろ足どっちが美味しい?
生ハムは豚のモモ肉を使うのですが、実は前足と後ろ足では味が違うのです。
前足=脂が少なく淡白で肉質が柔らかい。
後足=脂が多く旨味が凝縮されていて濃厚。
スペインでは前足を「パレタ」後ろ足を「ハモン」と呼ばれています。前足の方が小さくて約4~6kg、後ろ足は大きくて約7~10kgのものが多いです。
味については好みなのでどちらが美味しいとは断言できませんが、一般的には後ろ足のハモンの方が人気があります。購入される際の参考にしていただければ幸いです。