ワインショップやインターネット販売でもよく目にする「パーカーポイント〇〇点」ってなんだろう・・・と思ったことありませんか?
なんとなく「ワインに詳しい人が点数を付けた」というイメージはあると思いますが、かなりザックリと言うとそういう事です(笑)ただし只者ではありません!
神の舌を持つ男
ロバート・パーカーJr.は2019年5月に引退を表明しましたが、ワイン業界においていまだ絶大な影響力を持っており、『神の舌を持つ男』と呼ばれこの業界の発展に大きく貢献したことは間違いありません。
それではどのようにしてワインの評価をおこなっているのか?なぜここまで人気が高いのか?影響力を持つに至ったのかなどを解説していきます。
■ロバート・パーカーJr.のプロフィール
出身:1947年アメリカ、ボルティモア生まれ
家庭:アメリカの典型的な農家で育つ
職業:弁護士(地元の農業信用金庫で11年勤務)
※ロバート・パーカーとロバート・パーカーJr.の2通りの名前を目にしますが同一人物です。以下「パーカー氏」と表記します。
パーカー氏とワインの出会い
パーカー氏がワインの世界に目覚めたのは大学生の時で、後に奥さんとなるパトリシアさんが留学していたフランスに行った時です。
アメリカで慣れ親しんだコーラを買おうとしたらワインの方が安かったという理由で試してみたところ、ワインの魅力にハマったそうです。
驚異的なテイスティング能力
大学卒業後は弁護士になるも、ワインへの情熱は衰えるどころか益々燃え上がり、毎年フランスへ行き妻となったパトリシアさんに通訳をしてもらいながらボルドーを中心にワイン産地を巡ったそうです。
それだけではなくパーカー氏独自の方法で、時には道端の花やアスファルトなど、あらゆるものの香りを嗅いだりしながら、自らのテイスティング能力を高めていきました。
ワイン・アドヴォケイト誌の発刊
1978年パーカー氏は、ワインの評価誌「ザ・ボルチモア-ワシントン・ワイン・アドヴォケイト」※後の「ワイン・アドヴォケイト」を出版します。1984年までの6年間は弁護士をしながらの出版でしたが、その後はワインに専念することになります。
広告無掲載のワイン専門誌
衝撃的で評価された理由は、やはり『広告に頼らない』という点です。パーカー氏はワインの世界に精通すればするほど「世の中に出回っているワインの評価は正当なものではない」と考え、本当に価値のあるワインを紹介したいという思いで、広告を一切掲載せずに読者の購読料のみで出版費用を賄っていました。
試飲するワインや視察費用も全て自費
ワイナリーから試飲用にワインを無償で提供されたら悪い点数やコメントは書けない・・・これは読者にも伝わってしまいます。
あくまでも公平を保つため独自性を維持しながら評点、コメントを発表し続けました。
パーカーポイントの評点
パーカーポイントは100点満点で評価されます。
・評価に値するという時点での基本点 50点
・色と外観 5点
・香り(アロマとブーケ) 15点
・味わいと余韻 20点
・総合評価と熟成ポテンシャル 10点
この合計点によって下記のランクに分けられます。
100~96点 格別
95~90点 傑出
89~80点 かろうじて並以上から優良
79~70点 並
69~60点 並以下
シンデレラワイン
シンデレラワインという言葉を聞いたことありますか?それまでは無名だったワインがこのパーカーポイントで高得点を付けた瞬間から価格が跳ね上がり市場から姿を消すという現象です。その影響はその後のヴィンテージにも如実に現れます。
高得点の傾向
パーカー氏も、又、彼が引退した時点で10名いる言われているテイスターもワインをこよなく愛する人間です。どうしても好みはあると思いますが、高得点を付けるワインにはある程度の傾向があります。
・色が濃く、果実味が豊かでしっかりタイプ
ワインを購入する際も、この点を踏まえておくと選びかたの基準になりますね!パーカーポイントで高得点だからと言って、自分の好みと合っていなければ意味がありませんので・・・
あくまでも参考にしながら自分好みのワインを探すのも楽しみのひとつです。又、プレゼント用にはある意味「箔が付く」のでいいのかもしれません。