ワイン選びの基本は「タイプ」「色」「産地」「ぶどう品種」「価格」をそれぞれの選択肢から選んでいきます。今回はその中でも選択肢の多い「ぶどう品種」について書いていきますが、まずは代表的な品種「赤5種」「白5種」をピックアップしました。
ぶどう品種の特徴を知っておけば、味の傾向がつかめるので、ワインを選ぶ際に便利です。ワインショップなどで自宅用やプレゼント用に購入するときや、レストランで注文するときなどにも「ぶどう品種」は大きなヒントになるので覚えておいて損はありません。
代表的な赤ワイン用ぶどう5種
赤ワイン用のぶどうは「黒ぶどう」と呼ばれ黒みがかった紫色をしています。この果皮に含まれる色素が美しいワインレッドのルビー色と、赤ワイン特有の渋味を生み出します。
カベルネ・ソーヴィニヨン
世界一有名な赤ワイン用品種がこの「カベルネ・ソーヴィニヨン」です。名前を聞いたこのある方は多いと思います。産地によって味の差は多少ありますが、基本的には香りと味わいは濃厚で渋みもしっかりあります。いかにも赤ワインという力強さがあり、しっかりめの赤を楽しみたいときの期待を裏切りません。
メルロー
カベルネ・ソーヴィニヨンと同じように世界中で栽培されており人気の品種。高級ワインを生み出すボルドーではブレンド用に使われることも多いですが、シャトー・ルパンのように超高級ワインのようなメルロー単一品種でも素晴らしいワインが造られています。
カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると穏やかでまろやかな香りと味わいです。パワフルさはないが、その分落ち着いた風味を楽しめます。
ピノ・ノワール
ピノ・ノワールといえばフランスのブルゴーニュ地方を代表する品種で、比較的色も薄くなめらかで繊細な味わいです。かの「ロマネコンティ」もこのピノ・ノワールから造られています。
よくボルドーの力強さと比較され、穏やかで気品に溢れた風味は、ワイン愛好家が最後に行きつくぶどうとも言われ世界中で愛されています。
シラー(シラーズ)
オーストラリアを代表するぶどう品種で、フランスのコート・デュ・ローヌ地方でもよく使われます。ひとことで言うと「パワフル」です。渋みの成分タンニンもしっかりあり、力強さとジューシーさを楽しめます。
サンジョベーゼ
イタリアを代表するぶどう品種で、有名なキアンティの主要品種としても有名です。濃いルビー色でやや強めの酸と渋みが特徴。濃厚で超熟な「ブルネッロ・ディ・ルチーノ」のような高級ワインも造られます。
テンプラニーリョ
スペインを代表するぶどう品種、基本的には繊細でらかいイメージのワインですが、スペイン中で栽培されていて様々なタイプのワインがつくられているので特徴をまとめるのが難しい品種でもあります。
代表的な白ワイン用ぶどう品種
白ワイン用のぶどうは「白ぶどう」と呼ばれ緑黄色で、ワインにする際は赤ワインとは違い果皮を取り除きます。香りや果実味、酸味の違いが特徴に現れます。
シャルドネ
世界中で最も愛され続けているぶどう品種でと言っても過言ではないでしょう。代表的なのはやはりフランスのブルゴーニュです。シャブリをはじめコルトン、ムルソー、モンラッシェなど偉大なワインが全てシャルドネから造られます。
産地によって味わいが変わるのもシャルドネの特徴のひとつです。スッキリさわやかに造ることもできれば、リッチでコクのあるタイプに仕上げることも可能です。
ソーヴィニヨンブラン
以前はフランスのボルドーやロワールで造られることで有名でしたが、近年ではニュージーランドで頭角を現しています。フレッシュでシャープな味わいから、ジューシーでリッチなタイプまで幅広いワインが楽しめます。
リースリング
ドイツを代表するぶどう品種で、以前は甘口のワインが多かったが、最近は香りの高い辛口が増えてきて白ワインの味わいの幅を広げてくれている。もちろんアイスワインのような甘口のデザートも人気です。
ヴィオニエ
フランスのローヌ地方が原産ですが、アメリカ、オーストラリア、チリなどにも広がりつつあります。その人気の秘密は独特な力強さと華やかな風味で、中華やエスニック料理にも合わせられる点でしょう、が離せない品種のひとつです。
セミヨン
フランスのボルドー原産で甘口から辛口まで幅広く使われます。香りと酸味が強いのでソーヴィニヨンブランとブレンドされることが多いですが、オーストラリアではセミヨン単一品種で造られる「ハンター・セミヨン」などにも人気が集まっています。
まとめ
ワイン用のぶどう品種は一説によると数千種類と言われていますが、ワインの権威である「ジャンシス・ロビンソン」の著書では800種類のぶどうを紹介しています。
とはいっても日本で購入できるワインはそのうちの何種類でしょう・・・しかもワインショップに並んでいるのは赤白合わせてもせいぜい20種類ほどではないでしょうか?
世界には土着(どちゃく)品種と呼ばれるその土地ならではの品種が無数にあります。ひと癖ある品種が多いのでなかなか世に出てきませんが、その様な土着ワインを楽しむ旅ができると面白そうですね!
まずは今回ご紹介した赤白それぞれ5本をお楽しみいただければと思います。