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客単価を上げる3つの方法|目的は売上よりも利益率にフォーカスしよう!

 

こんにちはイズムです。

今回はお店の業績を上げようとした時に、誰でも一度は通る道「客単価を上げる」をテーマに書いていきます。

 

また、客単価を上げる目的は単純に売上げを上げるためだけではなく、利益率を上げるという意識をもって実施しましょう。商売の目的はあくまでも利益を稼ぐことです。

 

 

客単価とは?

商売をする上で一番頻繁に使う数字は?と聞かれたら「売上」と答えると思います。実際にそうですが、売上を分解するとよく見る計算式が出てきます。

 

客数×客単価=売上

例:100人のお客さまが1,000円ずつお買物をして下さった場合

100人×1,000円=100,000円

 

という事で客単価を算出るには下記になります。

 

売上÷客数=客単価

100,000円÷100人=1,000円

 

実際にお買物する方は100円の人や2,000円の人もいますが、客単価は平均で算出します。

 

私はお酒の小売店を3店舗運営していますが、単独の路面店は3,700円と3,200円で、ショッピングセンターに出店している店舗は1,800円と約半分です。その代わり客数は2倍以上です。

 

路面店では駐車場が近いので、大きいものやまとめ買いがしやすいですし、専門色のある商品を多く品揃えしているので客単価が上がりやすいです。

 

一方のショッピングセンターは、敷地内で働く方の休憩や、お客さまが帰りに車で飲む飲み物を買ってくださったり、他のショップに来た帰りにちょっと「ワインとおつまみ」をついで買いしてくださるお客さまがいるので、客単価は伸びにくいですが、客数でカバーしています。おのずと戦略も変わってきます。

 

 

利益率にフォーカス

客単価を上げる目的は?と聞かれたら「売上を上げるため」と答えると思います。もちろん正解です。しかし、そこに加えて欲しいのが「利益率も上げるため」です。

 

例えば会議で「客単価10%アップを目指そう!」と決まったとします。この会社の主力商品が下記だとしまよう。

 

売価2,000円-原価1,000円=荒利1,000円(荒利率50%)

 

Aさんの例

仕入れ先に連絡して「客単価10%アップを目指すので、今までよりグレードの高い商品を案内してください。」と伝えたとします。

 

すると仕入先は10%グレードの高い1,100円の商品を提案してくれます。販売価格もこれまでの10%高い2,200円です。

 

売価2,200円-1,100円=1,100円(50%)

 

 

Bさんの例

客単価と一緒に利益率も上げたいと考えて、仕入先にはこう連絡します。「客単価を10%上げたいんですけど利益率も上げたいので、原価は今までと一緒で違うメーカーの商品を案内してください。」

 

そうすると下記になりますね

 

売価2,200円-1,000円=1,200円(54.5%)

 

そんなの当たり前じゃないか!

と聞こえてきそうですが、そうです「当たり前」なんです。でも実際の現場では意外とこの利益率を上げるという意識が低かったりします。

 

AさんもBさんも客単価を10%上げるという目的は達成できましたが、最終的に残る利益は変わります。仮に1ヵ月100個売れたとしましょう。

 

これまで

売上200,000円-原価100,000円=利益100,000円

 

Aさん

売上220,000円-原価110,000円=利益110,000円

 

Bさん

売上220,000円-原価100,000円=利益120,000円

 

 

商売の醍醐味は掛け算です

ここまでに掛け算は使われていないのですが、商売の醍醐味は掛け算です。それぞれが10アイテムを1年間販売したとしましょう。

 

実際には初月と1年後の単月では差があるはずですが、今回はあくまでも参考例なのでこのまま各100個売れた計算で算出します。

 

 

これまで

売上24,000,000-12,000,000=12,000,000

 

Aさん

売上26,400,000-13,200,000=13,200,000

 

Bさん

売上26,400,000-12,000,000=14,400,000

 

AさんとBさんの売上げは一緒ですが、利益の差は1,200,000円で、もしなんの手も打っていなければ2,400,000円の差が生まれます。

 

 

それは「机上の空論」で実際の現場はそんなに甘くない!・・・私もそう思います。でもだからと言ってなにもしない会社と、なんとかして目標を達成しようと努力している会社とではどちらの業績がいいでしょう?

 

答えは明白です。

この「打った手」がヒットしたり時流に乗ったりしたらどうでしょう?目標を大きく超えることだってあります。無策だとそのようなチャンスも巡ってこないのです。

 

あなたはどちらを選択しますか?

 

 

客単価を上げる3つの方法

実際に客単価を上げようとすると様々な方法があるのですが、下記の3つに集約されます。それを上手に組み合わせて総体的に客単価アップを目指しましょう。

 

ひとつ注意点です。

このあとのデメリットの部分でも説明しますが、会社の状況によって値上げは業績に致命傷を与える可能性もあるので慎重におこなってください。逆に客数アップのために値下げするという判断が必要な場合もあります。

・値上げ

・クロスセル(関連販売)

・アップセル(松竹梅)

 

値上げ

利益率と一緒に客単価を上げる方法はこの値上げしかありません。ただし、値上げしたことをお客さまに知られないようにすることに注力してください。

 

という事は「目立つ商品」は後回しです。NB(ナショナルブランド)や売れ筋商品は慎重におこないましょう。

 

お客さまは売れ筋商品ではない限り値上げに気が付きません。絶対とは言い切れませんが、意外とクレームや売上げが大きく落ち込むという事はほとんどありません。

 

 

クロスセル(関連販売)

クロスセルは「関連販売」や「ついで買い」とも言って、買い上げ点数を増やす手法です。あらゆる業種で実施されているので、買い物をする際に気を付けてみていると参考になります。

 

・ファーストフード

「ご一緒にポテトはいかがですか?」

 

・飲食店

コースセット

トッピング

 

・スーパー

お肉売場に鍋つゆ

豆腐売場に麻婆豆腐の素

ワイン売場にチーズ

レジ周りに単価の低いお菓子など

 

・アパレル

マネキンのトータルコーディネート

 

・Amazon

「よく一緒に購入される商品」

「この商品に関連する商品」

 

 

アップセル(松竹梅)

商品の価格帯を複数用意して、ワンランク上の商品にランクアップしてもらったり、サイズアップしてもらったりする手法です。

 

松竹梅が分かりやすいです。

ちょっとした料亭で下記のコースがあったとしたらあなたはどのコースを選びますか?

松:10,000円「匠が全国から厳選して集めた食材を贅沢に使ったコース※1日10食限定

竹:7,800円「当店人気NO.1のおすすめコース」

梅:5,000円「通常のコースです」

 

このように設定するとお店の力にもよりますが概ね「松3:竹5:梅2」になります。お店側も本命は「竹」なので、松は売れなくてもいいのです。もし松がなければ「竹5:梅5」あたりになって客単価は確実に落ちてしまいます。

 

 

客単価を上げるメリットとデメリット

客単価を上げようとするとメリットとデメリットが発生します。そこを念頭に置いて上手に調整しましょう。

 

メリット

・客単価アップ成功

本来の目的である客単価が上がれば成功ですね!同時に客数が減らなければ言うことなしです。

 

・少ない客数でも同じ売上

通常だと値上げをすれば客数は減ります。しかしこれをメリットととるかデメリットととるかは会社次第です。

 

例え客数が減って売上げが落ちたとしても「利益額」が同じであれば、少ない人数、労力、時間で運営できるので、その分のコストが削減されて利益に繋がります。

 

 

デメリット

・客数ダウン

値上げをするのに一番の障壁はこの「客数ダウン」だと思います。できるだけそこを避けるように上手く調整しながら値上げをしましょう。

 

・イメージ悪化

ただ客数が減るだけならまだしも「あそこ高くなった」「値上げした」などと悪いイメージで口コミになると厄介です。

 

他の記事にも書いているのですが「言われるのを前提で推し進める」や「客層を変える」ぐらいの覚悟が必要な場合もあります。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょう?

客単価を上げると客数が減る→客数が減った方がしっかり接客ができるので顧客満足につながる→さらに客単価が上がる。

 

また、客数が減ることによって、空いた時間に「商品開発」や「POP作成」などができるようになるので「差別化商品」を販売する準備に使えたりします。

 

すべてはバランスだと思います。

目的をハッキリさせて、多少の客数減は想定内として「客単価と利益率アップ」を目指すのが今の時代に合っていると思います。とはいえ致命傷を負ってしまえば再起に時間がかかってしまうので、数字をしっかりと見てバランスを取りながら手を打っていきましょう!

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